ツボによる効果
なぜ鍼灸治療は効果があるのでしょうか?
それはツボに刺した鍼による刺激が自律神経系、免疫系などに作用して、緊張を緩和し血液やリンパ液の代謝を向上させることにより、自然治癒力をアップさせる働きがあるのではないかと考えられているからです。
また組織に鍼が到達することにより、白血球などが集まり、組織の再生、修復を促すことで新陳代謝のアップが期待できます。
さらに、副交感神経系に働きかけ、血管を拡張させ、血の巡りを改善し、内臓機能を促進させます。
その他、鎮静効果が古来より認められていますが、その理由として以下のことが考えられます。
・鍼の刺激が脊椎で痛みを抑えるゲートコントロール作用が起こる
・鍼刺激によって脳内に痛みを抑制するエンドルフィンが分泌される
・鍼の刺激が末梢神経の痛みの信号を遮断する
・ツボの刺激により痛覚閾値が上がるため、痛みを感じにくくなる
・筋肉の緊張が緩むため血液の循環が改善される
灸は、ツボや患部に熱刺激を与えるため、血行が良くなります。
そのため、血液内の免疫物質を分泌されたり、造血作用が促進されたりして、身体の機能改善や抵抗力向上などに効果があります。
また、ヒートプロテイン現象による組織の修復にも寄与します。
東洋医学による鍼灸の効果
東洋医学の極意は「気の存在」から始まります。
気は目には見えませんが、実在する物質です。
ただ現在の科学では解明することができていません。
解明はされていませんが、皆さんも感じたことがあるでしょうか?
気配、気分、気持ちなどがまさに気そのものです。
気というのは活動を表し、「病は気から」という言葉があるように気のトラブルが病気に始まりだと考えています。
その気をスムーズにすることこそが鍼灸治療の根底にあります。
漢方薬と鍼灸の違い
薬効作用と鍼灸刺激の違い。
そもそもなぜ東洋医学の治療法に、漢方薬と鍼灸、薬膳、気功があるのでしょうか。
中国は国土が広く、生活環境が異なり、発達した医療が異なっていました。
その後、中国伝統医学として統一されましたが、それぞれに得手不得手がありました。
口から入り、腸内で吸収され、血液中に入り、作用する漢方薬と薬膳。
皮膚からの刺激が脳へ届き、自律神経を整える、またツボを用い、気血の流れを改善する鍼灸や気功。
内側からか、外側からかというアプローチ方法が違います。
漢方薬や薬膳は病院の薬、サプリ、食事と同じルートをたどります。
その点では作用が重複することもあるでしょう。
鍼灸は重複しません。
皮膚からの刺激、皮下内、筋肉内に鍼や灸が侵入し、身体に多くの反応を引き起こします。
東洋医学の漢方薬と鍼灸は同じジャンルではありますが、同じではないのです。
使用する鍼や灸
当院で使用する鍼は使い捨て(ディスポーザブル)のタイプです。
一本一本、個包装されているもので、使用する直前に開封致します。
基本的な針は髪の毛ほどの細さですので、痛みはほとんどございません。
灸につきましては、筒状のものをタオル越しに置くタイプやかざすタイプのものを使用しておりますので、やけどの心配はありません。
お痛みや熱さなどは充分に配慮しておりますが、個人差がございますので不快感等ございましたら、お申し付けください。
針灸の効果~世界保健機構(WHO)より~
鍼灸治療というと腰痛や肩こりなどが思い浮かぶかと思います。
もちろん効果的ですが、それ以外にも多くの疾患、症状に有効だとされています。
世界保健機構(WHO)とは、「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として1948年4月7日に設立された国連の専門機関です。
現在の加盟国は194ヶ国あり、日本も1951年5月に加盟しています
そのWHOでは、以下のような疾患に対して鍼灸は効果的であると認定されております。
関節炎、リウマチ、頚肩腕症候群、五十肩、腱鞘炎、腰痛、外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
神経痛、神経麻痺、痙攣、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠、神経症、ノイローゼ、ヒステリー
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘) 、胆嚢炎、肝機能障害、肝炎、胃十二指腸潰瘍、痔疾
気管支炎、喘息、風邪および予防
心臓神経症、動脈硬化症、高血圧低血圧症、動悸、息切れ
バセドウ氏病、糖尿病、痛風、脚気、貧血
生殖・泌尿器系疾患、膀胱炎、尿道炎、性機能障害、尿閉、腎炎、前立腺肥大、陰萎
更年期障害、乳腺炎、白帯下、生理痛、月経不順、冷え性、血の道、不妊
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)、小児喘息、アレルギー性湿疹、耳下腺炎、夜尿症、虚弱体質の改善
眼精疲労、仮性近視、結膜炎、疲れ目、かすみ目、ものもらい
中耳炎、耳鳴、難聴、メニエル氏病、鼻出血、鼻炎、蓄膿、咽喉頭炎、扁桃炎
妊活にも効果があるということをWHOが認めていますので、安心して受けいただければと思います。
銀のすずのマッサージ
当院では、鍼や灸のみ、マッサージのみの施術は原則、行っておりません。
すべて組み合わせて行います。
効率よく結果を出すには、どれも欠かすことができません。
特に妊活中、マタニティの方へは骨盤内の血流を促進するため、全身へのアプローチが必要となってきます。
中でもマッサージには順序が大切で、血液の流れを把握しながら行います。
良好な血流は内臓機能の活性化には欠かせません。
施術時間にもよりますが、隅々までマッサージを行っていきます。
骨盤内性器機能を改善、自律神経バランスを改善、ホルモンバランスを改善、卵子の育成を促したり着床を促す目的で施術を行います。
施術には骨盤矯正も含まれます。
マッサージとは
ヨーロッパでおこり、体系化され医療に応用されていたもので、明治中期にフランスより日本に輸入されました。
現在も医療補助の施術として医療・保険・その他の面で広く応用されています。
ヒポクラテスの時代(BC4・5世紀)から存在し、現在のように体系化されたのは19世紀ごろです。
それまでは民間療法としてしか存在していなかったのですが、1875年に循環系への効果を実証した論文で整形外科で応用され初め、ブームになります。
その後、新陳代謝、消化、循環に及ぼす影響など多くの研究発表がされ、医療マッサージとして内科・外科・整形外科と応用分を広げて現在に至ります。
日本に伝来したのは明治20年、陸軍の軍医がヨーロッパから持ち帰った最先端の技術として外科で医療マッサージ用いられました。
その後、輸入されたマッサージと日本古来のあん摩術の長所を取り入れて、日本独特のマッサージ手技となって医療界に広く普及しました。
マッサージは皮膚に直接、滑剤(オイル等)を用いて施術します。
身体の中心に向かってマッサージを行うのが特徴です。
主に循環系を対象になでたり、さすったりする手技です。
指圧マッサージとは
古法按摩、導引、柔術の活法を合わせ、圧を主体とした独特の施術で大正初期にアメリカの整体療術の理論と手技を取り入れて体系化されました。
指圧は一点圧として作用させます。
導引とは「大気を導いて体内に引き入れ、深く呼吸し、心を鎮め、慾を制する」ことです。
この究極の目的は、各個人が自ら運動して、身体を鍛え、心身を明朗にして不老長寿の仙境の域に達すること。
仙境の域、とまで行くかどうかは別として、これを理想とした呼吸運動法ということになります。
柔術の活法とは、柔術という柔道の元となった古い武術、その修行中の事故の救急法のひとつとして失神者を蘇生させるための衝撃法です。
江戸時代まではこれらを総合した経験治療とした民間療法でした。
明治時代から、これらの手技操作と共通するアメリカの整体術、カイロプラクテック、オステオパシー、スポンディロセラピー、等の療術が輸入されるにおよび、この施術を導引に加え改良し独自の手技療法として体系化し、大正時代には指圧法として統合されました。
昭和30年には法律で認められました。
指圧は、薄い衣服の上から生体に現れる反応点を対象として主に一点圧の刺激を遠心性に与え、圧反射機転により神経や筋肉の機能を調節します。
現在、指圧は大まかに分けて二通りの施術方針があります。
ひとつは、経絡を基本とした経絡指圧、もう一つは生理学に基づき指圧する指圧方法です。
あん摩マッサージの効果
古代中国に起こり日本に渡来し、東洋医学における経絡をめぐる気血の虚実に対し補瀉の法をもって施術します。
東洋医学の最大の特徴といえば「気」の概念です。
気は見ることはできない、感じるエネルギーを指します。
気には、両親から受け継いだ「先天の気」と食事や呼吸により取り込み、作り出す「後天の気」があります。
後天の気から「栄」と「衛」が生じ、この栄衛の二気の流れる経路が経絡となります。
手と足に流れる十二本の経絡と身体の中心を流れる任脈と督脈の二脈を合わせて十四経脈と呼びます。
この経絡を巡る気血が不足している「虚」の場合には補法、気血が滞っている「実」の場合には瀉法を行い、気血の流れを整えることにより、疾病の治療を行います。
明治以降、医学は東洋医学から西洋医学に変わり、治療法も東洋医学から西洋医学に主体が変わったため、これらの理論ではなく、西洋医学の解剖・生理学を元にした循環系、運動器系、神経系へのアプローチへとなりました。
現在のあん摩は薄い衣服の上から施術を行い、中心部から末梢に向けて施術します。
筋肉を対象として押したり、こねたり、つまみ、筋肉の硬結を取り除き、筋組織の循環を良くし、新陳代謝を盛んにします。
あん摩マッサージ指圧の効果的な症状や疾患として、肩こり、だるさ、頭痛、頭重、めまい、耳鳴り、疲労、腰痛、便秘、不眠、食欲不振、冷えなど、いわゆる不定愁訴症候群や、内因性の疾患(神経痛、麻痺、脳卒中後遺症、リウマチ、本態性高血圧など)や、外因性の疾患(関節の変形、骨折、脱臼、捻挫の後遺症など)が挙げられます。
ストレッチの基本原則
ストレッチの原理は、主に筋肉や組織の可塑性(柔軟性)に関係しています。
ストレッチを行うと、筋肉や組織に加わる力やストレスによって、いくつかの生理学的な変化が生じます。
1.筋肉の伸張反射: 筋肉が急激に伸ばされると、筋肉の収縮を防ぐための反射的な反応が起こります。これは筋肉の保護機構であり、「筋肉の伸張反射」と呼ばれています。この反射により、筋肉が強制的に緩むことが防がれます。
2.筋肉のエラストメリックプロパティ: 筋肉は、伸ばされると元の長さに戻ろうとする「エラストメリックプロパティ」と呼ばれる特性を持っています。
これは、筋肉の分子構造に起因するもので、筋肉が伸びると、そのエネルギーを蓄え、元の形に戻ろうとする性質です。
3.組織の伸張: 筋肉だけでなく、靭帯や腱などの結合組織もストレッチによって伸張されます。
これにより、組織の柔軟性が向上し、関節の可動域が広がります。
4.血流と循環の増加: ストレッチによって血流が増加し、酸素や栄養素が筋肉や組織により効果的に供給されます。
これにより、筋肉のパフォーマンス向上や怪我の予防に役立ちます。
ストレッチは、これらの原理に基づいて、筋肉や組織を適切に伸ばし、柔軟性を向上させることを目的としています。
定期的にストレッチを行うことで、体の可動性が向上し、日常生活やスポーツ、運動のパフォーマンスを改善することが期待されます。
ただし、無理なストレッチや過度なストレッチは怪我のリスクを高めることがあるため、適切な方法で行うことが重要です。
妊活とストレッチ
不妊治療において、ストレッチは妊娠に直接的な影響を与えるわけではありませんが、体の状態や心身の健康をサポートするために役立ちます。
以下に、不妊治療におけるストレッチの一般的な効果をいくつか挙げます。
ストレス軽減: 不妊治療は心身に多くのストレスをもたらすことがあります。ストレッチや軽い運動を行うことで、リラックスし、ストレスを軽減する助けとなります。
血流の促進: 適度なストレッチは血流を促進し、体内の代謝や体温調節に役立ちます。これにより、体のバランスが整い、生殖器官への血液の供給が改善される可能性があります。
体の柔軟性: ストレッチを行うことで、筋肉や関節の柔軟性が向上します。体が柔軟であることで、姿勢が改善され、体の負担が軽減されます。
鍼やマッサージ、そしてストレッチを組み合わせて妊娠しやすい身体作りを行います。
妊娠中とストレッチ
妊娠中のストレッチにはいくつかの効果がありますが、主な目的は妊娠中の身体の変化に対応し、快適な妊娠期間を過ごすためのサポートをすることです。
以下に妊娠中のストレッチの主な効果には以下のようなものがあります。
身体の緊張の緩和: 妊娠中はホルモンの影響で身体が緩んでしまうことがあります。ストレッチは緊張した筋肉を緩和し、身体の不快感を軽減する助けとなります。
姿勢の改善: 妊娠によってお腹が大きくなり、重心が変わることで姿勢が崩れることがあります。適切なストレッチによって、姿勢が改善され、腰痛や背中の痛みを軽減することが期待されます。
柔軟性の向上: 妊娠中は体のバランスが変わり、関節が緩んでしまうことがあります。ストレッチによって、筋肉や関節の柔軟性が向上し、動きがよりスムーズになります。
リラックス効果: 妊娠中はホルモンの影響や心の変化によりストレスを感じることが多いです。ストレッチはリラックス効果があり、心身のリフレッシュに役立ちます。
血流の促進: ストレッチは血流を促進し、体内の代謝や循環をサポートします。これによって、母体と胎児への栄養や酸素供給が向上する可能性があります。
ただし、妊娠中はデリケートですので、専門家による適切なストレッチを行います。